久々の音楽ネタだ。しかもカエターノ・ヴェローゾである。
大御所である。勝手な事書くと怒られそうでドキドキする。
個人的にはニール・ヤングやポール・ウェラーに送るのと
同程度の賞賛を、いや、もしかしたらそれ以上の拍手喝采を
カエターノには送りたいと常日頃から思っている。
バンドは前作同様、カエターノとペドロ・サ、マルセロとあとは良く知らんベーシスト
の4人体制。結構鉄壁布陣です。
プロデュースはモレノ・ヴェローゾ(息子)。
隙間の美学と言うか、もうここまでくるとあれである、ワビサビの世界である。
盆栽や囲碁とかにハマる、そんな境地の音楽である。
写経、最高!みたいな感じである。
ただバックの若手2人は小山田圭吾やWilcoとも交流のある
ブラジルを代表するような若手音響クリエイター。
この二人が演奏面で現代的アプローチに徹しているせいもあり
全体的な印象としては、渋くも現代的な新流ブラジリアン・ポストロック
といった風情になる。
伝統と前衛の共存、というのはカエターノの音楽の基幹だけど、
それは例えばカニエ・ウェストがニーナ・シモンをループさせて
その上にラップを被せただけの曲があんなにも良く聞こえるのもきっと同じような原理で、
優れた音楽すべてにあてはまるものなのでは、と思う次第です。
ちなみに個人的なカエターノのお勧めは下の3枚です。
新作はファン的には大傑作だけど、初めて聞くのには向いていません。
痛い目に合うかもです。